当院では上部消化管内視鏡(胃カメラ)および下部消化管内視鏡(大腸カメラ)を取り扱っています。
胃癌はピロリ菌の確認と除菌治療により発症率を抑制できます。また、胃癌を発症してしまったとしても定期的な胃カメラ検査により早期発見できれば、胃カメラによる切除手術により治癒できる可能性があります。
大腸癌の9割は大腸ポリープから発生します。大腸カメラによりポリープを発見し切除することでほぼ予防ができます。
40歳以上になりますとリスクが高まりますので、機会があるときに検査を受けることを推奨しています。
当院ではFujifilm社のEP-6000システムを採用しています。
LEDを光源としたシステムで、経鼻用の小さいカメラでも明るく精細な視野を得られ、また癌を見つけやすくする特殊波長画像システム(LCI、BLI)にも対応しています。
付属装置として、胃腸内に付着する泡や残渣を洗い流す送水装置と、検査後のガス充満感を軽減する炭酸ガスボンベを使用しています。これらによりスピーディかつ質の高い検査を担保しつつ、検査の苦痛緩和を図っています。
当院では主に経鼻用の細い内視鏡で検査を行っています。
観察範囲は咽頭~食道~胃~十二指腸までになり、検査時間は5~10分程度です。
検査後1時間程度、麻酔の影響で飲み込みが悪くなりますが、その他お仕事などへの制限はありません。午前は8時30分から11時まで、午後は15時から17時で承っております。
現在は緊急時を除き、来院当日の内視鏡検査は承っておりません。
みぞおちから臍までの範囲に症状がある場合は胃カメラで診断がつく可能性があります。癌の予防または発見の観点からは以下のリスクをお持ちの方は是非ご検討ください。
・ご家族(両親およびご兄弟)にピロリ菌感染、胃潰瘍、胃癌の方がいる。
ピロリ菌感染は最大の胃癌リスクです。幼小時に両親から唾液などを介して、または生活用水に井戸水などを使用していた場合に感染していることが多いため、ご家族の誰かに感染がある場合はご自身も感染されている可能性があります。
※胃のポリープについて
胃にできるポリープのほとんどは、大腸ポリープと違って、ほとんど癌化することはないと言われています。ただしポリープの数が非常に多い、またはサイズが大きい場合はその限りではありません。胃のポリープがある、と検査で説明された際は数や大きさがどうであったか確認しましょう。
・お酒を飲むと顔が赤くなる。
・タバコを吸う。
お酒を飲んですぐ赤くなる方は、アルコール分解に関わる遺伝子2つのうち1つを欠失している「頑張ればお酒が飲めてしまう」人です。発癌性の高いアルコール中間代謝物・アルデヒドが分解されづらく体内に留まり、食道癌以外にも様々な疾患のリスクとなります。喫煙かつ飲酒が重なると更にリスクが高くなります。食道癌だけではなく咽頭・喉頭部領域にも発がんしやすいので要注意です。
・慢性的な胃酸逆流(逆流性食道炎)がある。
逆流性食道炎に伴う食道癌は主に欧米で多い発症形式ですが本邦でも、特に女性に多く見られるようになっています。
胃潰瘍など口に近い部位(上部消化管)で出血がある場合、血液が胃酸と反応し便が黒くなります。出血以外の原因としてはイカスミ料理の摂食や鉄分の薬・サプリを内服していても同様の便が出ます。
食事や薬に思い当たりがないのに炭のよう黒い便があった場合は食道や胃などから中等量以上の血が出ている可能性があるため、至急医療機関を受診ください。
あらかじめ下剤(腸管洗浄剤)を飲んで貰い、お昼12時ごろより検査を行います。
当院では腸管洗浄剤としてサルプレップⓇをメインに使用しています。従来のものと比較して味が決して良い訳ではありませんが、お薬として飲む量は少なくなり、かつ合間合間でお水やお茶を飲むので口直しが可能なため、飲む苦痛が多少は軽減するだろうと思われます。また腎臓が悪い患者様にはモビプレップ、どうしても味が苦手な場合はマグコロールを置いています。
来院頂いてから内服できるように落ち着いて飲めるスペース、検査用の広いトイレ、無料wifiを準備しておりますが、慣れていらっしゃる場合はご自宅で飲んで頂くこともできます。
検査時間は挿入(肛門から小腸終末部まで)5~10分程度、観察・抜去に10~15分程度の合計30分前後になります。腸の長さや切除するポリープの数により前後します。
観察のみの場合は、検査後に特に注意することはなく普段通りお過ごし可能です。
ポリープを切除した場合は、後出血のリスクがありますため2週間の安静(×腹圧のかかる肉体労働 ×お酒 ×遠方への旅行)が必要になります。予めそのような予定がない時期に検査を予定するか、検査当日は観察のみ(後日ポリープ切除)をお願いします。
現在は緊急時を除き、来院当日の内視鏡検査は承っておりません。
以下の症状やご病気を持つ方は検査をご検討ください。
本邦においては食の欧米化が発がんリスクへの関与を指摘されています。同じ嗜好となりやすいご家族・兄弟に大腸癌などのご病気を持つ方がいれば、ご自身もリスクをお持ちかもしれません。
また大腸癌と乳癌、脂肪肝はそれぞれ併発しやすい疾患であることがわかっていますので、既にこれらのご病気を持つ方は定期的な検査をご検討下さい。
当院では胃カメラ・大腸カメラ検査を行う際は基本的に局所麻酔のみでの行っております。リアルタイムで検査の様子を話ながら確認できますし、施行医としてより苦痛が少ないように手技を修練することで安全性の向上に努められるためです(苦痛があるということは臓器・粘膜に対して危険な操作をしているというシグナル)。
しかしながら、特に若い方はのどの反射が麻酔下でも強かったり、お腹の手術などの影響で大腸カメラの挿入に痛みを伴う可能性をゼロにすることは残念ながら不可能です。静脈麻酔が必要と医師が判断、または患者様が希望される場合には静脈麻酔を行いますので、内視鏡検査をご希望の時にご相談ください。
当院ではミダゾラム(ドルミカムⓇ)を麻酔薬に採用しております。血圧など心臓・循環器への影響が少なく麻酔薬の中では安全性の高い薬剤になります。効果時間も比較的短く、検査後1時間の安静ののちに帰宅可能です。
ただし注意点として覚醒後も半日は薬剤が体に残るため、後から再度眠気に苛まれる可能性があります。そのため検査当日のお車の運転はできなくなります。当院の地理的に車の運転ができないのは時に致命的ではあるのですが、麻酔を行う場合はどなたか別の方の運転またはタクシーのご利用をお願いいたします。
まずは内科外来の初診をご予約ください。定期通院されている場合は再診時にスタッフまたは医師に検査を受けたい旨をご相談ください。診察中および診察後に検査の同意書・問診票・クリニカルパスを用いて検査のご案内・予約を行います。
検査中はモニター画面で様子をリアルタイムに見ることが可能ですが、検査後に検査レポートを作成し本人用にお渡しするため、後日改めて再診をお願いしています。
予約はこちらから